出会いはいつだって突然で、
思わぬとき、思わぬ場所で人は出会う。
偶然なんて言葉は、ホントに言葉なだけで
偶然、突然、これらはすべて必然なのかもしれない。
きっとおれと彼女が出会ったのも、
偶然であり、突然であり、必然なんだと思う。
電車で寝過ごしそうになったおれは、急いで電車を降りた。
まだ頭がボーっとしているなか、改札を抜け地下鉄の階段を上る。
地上から吹き込んでくる風。今日はいつもより風が強い。
階段を上りきったところで気がついた。
傘を電車に忘れてきた。
駅から自宅まで徒歩10分ちょっと。走っても数分かかる。
数分も雨に打たれれば、きっと体はびしょ濡れ。風邪も引くかもしれない。
でもこのままジッとしてるわけにもいかないし。
コンビニで傘を買おうか・・・・、でももったいないし。
なんて考えながら途方にくれていると、やたらこっちを見てる女の子がいる。
「おいおい、何見てんだよ・・・・」とチラッと見てみると、やっぱり見ている。
すっごい見ている。何だろう?とおれも見つめ返してみる。
頭の中で記憶の波が、津波となってやってきた。
「あ!? もしかして○○ちゃん・・・・?? あれ?違うか?」
「え?やっぱ□□くん?うっそー、ありえない。超ビビったんだけど」
彼女は、「高校の友達の中学のころの同級生」。
高校のときの友達がいなければ、決して知り合わなかった。
今となっては出会ったきっかけってのはあまり覚えていないが、
高校の友達と交えて何度か遊んだことがあるっていうだけの関係。
もう何年も会ってなくて記憶は曖昧だったが、それは彼女も同じだったらしい。
だからやたらとおれを見つめていたわけだ。
おれは遊んだ(弄んだとかではない)女の子を忘れることはないのだが、
なかなか彼女を思い出せなかったのは、以前会ったときよりも数倍可愛くなっていたから。
可愛くなったというよりは、キレイになった。
しかし、不思議なのはなぜ彼女なのか。
例えば高校クラスの同級生とかならまだ、単純に「わぁ、久しぶり!!」ってなるのだが、
彼女は、
「高校の友達の中学のころの同級生で、何度か高校の友達を交えて遊んだことのある女の子」
関係性はすごく薄い。
なのに出会った。これはきっと、神のイタズラ、運命の出会い(再会)。
関係性は薄いはずなのに、なぜかこうして再会した。
そして、何年も会っていないにもかかわらず、こうして名前を覚えあっていた。
もしかしたら、お互い求め合っていたのかもしれない。
見えない糸で繋がっていたのかもしれない。
彼女はよく喋る子で、おれの好きなタイプではある。
「今、何してんの?」とか、「どこ住んでんの?」と質問をしてくる。
質問に答えながらも、おれは違うことを考えている。
2人で開けるトビラ、2人で歩く道、2人で作る未来。
あまりにいろいろ聞いてくるんで、おれも何か聞いてみた。
「このへん住んでんの?」
「彼氏がね……」
ちくしょぉぉぉぉぉぉぉ !!!!
「あ、そう・・・・じゃ、明日早いし。じゃあね」
「うん、じゃあ」
雨に打たれながら、走って帰った。
ビショ濡れになりながら、走って帰った。
顔が濡れている。これは雨ですか?
それとも涙ですか?
こんな必然いりません。
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